日々つれづれ
020 黄色いアイツ 〜 その名はチョコボ 

ついにヴァナディール最大の都市ジュノの地を踏みしめたチョップくん。
早速、かねてからの憧れであったチョコボ騎乗のためのクエストに挑戦しようとするも、まだその権利さえ得ていないという事実をつきつけられてしまった。

チョコボクエストが受けられるようになるのはレベル20から。現在のチョップくんのレベルは19。FF11風に表記するならば@3000(※1)といったところである。
「サクッとレベルをあげてしまおう。」そう考えたチョップくんはパーティー参加希望マークを表示させて声がかかるのを待った。ジュノに着いたばかりのためどこで何を相手に戦闘をすればいいのか全く分からない状態なのだ。当然「待ち」の選択肢しかないのである。

幸いなことに10分程度待ったところで声がかかった。ありがたい。
二つ返事でパーティに参加したい意向を伝え、他のパーティーメンバーと合流する。自分はジュノが初めてであり周辺の情報を全く知らないと皆に伝える。同じようにジュノ初体験という冒険者がもう1人いたが後の4人は経験が豊富なようだった。彼らからアドバイスをうけつつ『クフィム』という場所に向かう事になった。
チョップくんは自分のいる『
ジュノ上層』から『ジュノ下層』、『ジュノ港』と歩みを進め、クフィムへと移動しミミズを相手に戦闘を繰り返した。(ちなみにジュノという街は上記3つのエリアと『ル・ルデの庭』の4層から成っている。)

程なくしてレベルは20に上がる。一回の戦闘で得られる経験値が高いのだ。うまく敵を選べば200以上の経験値が得られる。ここまで恐いくらいに順調である。計画通りである。うかれガルカである。いきおいレベル21に上がってしまったところでパーティーは解散となった。嬉しい悲鳴をあげつつジュノに戻る。さあいよいよチョコボクエストの開始である。

チョップ:「おーい、オッサ〜ン。ついにやりましたよ。レベル20どころか21まで上げてきましたよ。早くチョコボクエ受けさせてくれよ〜。」
ブルータス:「ほう、、、、、。いいだろう。ではお前に課題を与えよう。あそこにチョコボがいるだろ?いいか、あいつを手なずけてみな。詳しくはチョコボの横にいるオスカーに話を聞きな。頑張れよ。」
チョップ:「おう、ありがとう!」

どんな課題だろうとすぐにクリアしてやるぞ。そんな気持ちで視線をチョコボに向ける。ふむ、あのチョコボの横にいる少年がオスカーだな?

チョップ:「オイそこのガキ、ちょっといいか?」
オスカー:「ん?僕?」
チョップ:「そうそう、お前お前。あのさ、俺チョコボ免許証欲しいんだけど、、、、。」
オスカー:「う〜ん、ちょっと大変かもしれないよ。あのね、このチョコボ、人間から餌をたべなくなっちゃってるんだ。でも根気強く餌を与えていればその人に心を開くハズなんだ。チョコボは人のニオイを覚えるからね。」
チョップ:「なるほど。何回か続けてこのチョコボに餌を食わせりゃいいんだな?」
オスカー:「そういうこと!与えるのは『ゴセビの野草』っていう草ね。4回ぐらい食べさせればチョコボはあなたになついてくると思うよ。」
チョップ:「よ〜し、んじゃゴセビの野草っての集めてくるわ。おいチョコボ、待ってろよ。すぐに戻ってきてお前に食わせてやっからな。」
チョコボ:「クエェ〜。」

チョップくんはくるりと向きを変えチョコボ厩舎を飛び出した。

チョップ:「いってきま〜〜〜〜、ん!?
チョップ:「、、、、、、、、、むむ、、、?」
チョップ:「、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、。」
チョップ:「、、、、、、、コレ食うかな?」
チョップ:「、、、、、、だってホラ、ウサギだっていろんな植物食べるもんな。、、、、、うん。だよな。うんうん。要はこのクエストで重要なのはチョコボに俺の愛情を伝えればいいってトコロだろ?、、、、、、よ〜し。」

おもむろに植えられた花を引き抜くチョップ。嗚呼。またあらぬ方向に暴走をし始めているぞ、チョップよ。チョコボとウサギを同一視って、それはあまりにもじゃねえのか?いいのか?しかし本人かなり本気の御様子である。アイデアマン、ジュノを行くである。自称動物博士、クレバー分析である。無免許獣医、フリスクを秘薬と偽り処方的な所行である。嗚呼、駄目だ。すでに「俺って天才〜!」といった笑みを浮かべている、、、、、。

チョップ:「はぁっ、はぁっ、はぁっ、、、、、。」
チョップ:「あった〜!」
ぶちぶちっ

チョップ:「これも食えるでしょ。ヨシヨシ。どんどん集めますよ〜。」

街頭に植えられた草花を笑顔で引き抜きジュノを走り回るガルカ、、、、、、。
やばい、やばいぞ。

チョップ:「はぁっ、はぁっ、はぁっ、、、、、。」
チョップ:「ル・ルデガーデン!おお、さすがに庭園だけあって緑は豊富だな。ヨシヨシ。では早速、、、、、、。」

ぶちぶちっ

チョップ:「ふふふ。結構いいペースで集まってるじゃん。ジュノってなかなか緑が豊富な街なんだね〜。うんうん。じゃ次行ってみっか!」
チョップ:「はぁっ、はぁっ、はぁっ、、、、、。」
チョップ:「はぁ。、、、、、、、、おわっ!?」
チョップ:「うわ、なんかココすげえ人多くねえ?さすがにこんなに人多い場所ではやめといた方がいいのか?う〜ん、、、、、いや、チョコボのためだっつうの。うん。がんばれ俺!、、、、よ〜し、行くぞ〜、、、、、、、いち、にの、さんっ!」
チョップ:「そいやぁぁぁっ、ダーッシュ!はぁっはぁっはぁっ!」
ぶちぶちっ
チョップ:「オッケー!この草もゲ〜ット!そいやぁぁぁっ、ダーッシュ!」
チョップ:「うりゃあああぁぁっ!はぁっはぁっはぁっはあっ、、、」

この場所、ジュノ下層の競売前はヴァナディールにおいて、、、、、つまりはFF11の全世界において、最も人口密度の高い場所なのだ。このエリアには常に冒険者達が集まっており、その数は200〜300人にものぼる。またパーティーメンバーを募集したりバザー告知のためのシャウトが飛び交いとても熱気にあふれているのだ。あまりの情報量の多さに回線の転送速度がおいつかず、この競売前を通る時は動きがカクカクしたりキャラクターが表示されなくなってしまったりするという場所なのである。
そんな場所での奇行、、、、、、。
多数いる冒険者たちから逃れるようにチョップくんはダッシュを続ける。

チョップ:「はぁっ、はぁっ、はぁっ、、、、。」
チョップ:「お!アレももらっとこうかな?」
ぶちぶちっ

チョップ:「よいしょ、っと。うんオッケー!4種類草集まりましたよ〜。ヨッシャー!」

草をにぎりしめたガルカがジュノを走る。
チョップくんは再びジュノ上層のチョコボ厩舎を目指した。
チョップ:「お〜い、チョコボ〜、草もってきたぞ〜!ほら〜。」
チョップ:「さあおたべ。おいしいよ。ふふふ。」
チョコボ:「クエ?」
チョップ:「ん?遠慮すんなよ。ホラ食っていいぞ。」
チョコボ:「クッ、クエ〜〜〜」
チョップ:「ホラ、食えって。せっかく草持ってきてやったんだからさぁ。ホレ。」
チョコボ:「クエッ!クエッ!」
チョップ:「おぅおぅ!?食わねえつもりか?」
オスカー:「あはは、無理だよ。コイツはゴセビの野草しか食べないよ。」
チョップ:「ナニィ?」
チョップ:「オラ、食えよ!こうして、、、くちの中に、、、押し込ん、、、で、、、。」
チョコボ:「ク、クキ、ク、、、、クキィエーッ!」
オスカー:「む、無理だよ。」
チョップ:「コノヤロ、、、、、、オラー!
チョコボ:「ヒュー、ヒュー、ヒュー
(呼吸音)。ク、、、、、ェ、、、、、。」
オスカー:「やめてー、やめてよー!チョコボが、、、チョコボがぁ!」
チョップ:「クソー。強情なチョコボだ、、、、、、。お〜い、オッサーン!」
ブルータス:「ん?どうした?」
チョップ:「あのさ、チョコボが草とか花とか食わねえんだわ。腹減ってねえのかもよ。」
ブルータス:「だからゴセビの野草しか食わねえつってんだろうがよ!このクソガルカ!馬鹿ガルカ!オメーは人の言ってることが理解出来ねえのか!?え!?
チョップ:「す、すみません。ショボーン。」

街頭の草花でチョコボを手なずけようとしたチョップくんだったがあえなく撃沈。自分が間違った事をしていたというショックからではなく見知らぬオッサンに大声で怒鳴られたという事にビビリ、素直にゴセビの野草を入手した。

改めてチョコボにゴセビの野草を与え始めたのだがヴァナディール時間で1日(現実時間で1時間)に1回しか食べてくれないという事が判明。
野草を与えつつジュノを探索して時間をつぶす。それでも大幅に時間をもてあましたチョップくんはチョコボ厩舎の横にいたNPCガルカとツインズゴッコ等をして時間をつぶした。

チョップ:「早く乗りたいですな、、、、、。」
茶髪ガル:「、、、、、、、、、そうですな。」

わざわざ初期装備に着替えて時間をつぶすチョップくん。オッサンに怒られた事などもう忘れてしまっているようだ。
とにかく、チョコボ騎乗までもう少しだ。憧れの高速移動までもう少しだ。チョコボに野草をあたえつつ、頼むからおとなしくそのまま待っていてくれ。

チョコボクエストの顛末は次回へと続く。

チョップ:「なあなあ、この花チョコボ食うかな?」
モーグリ:「知らねえクポよ。」

全然懲りていないようである。馬鹿。

※1 @3000
FF11では次のレベルに上がるまでに必要な経験値を表す際に「@」を使うのが普通のようだ。これは通常使われる「at(〜において)」の意味ではなく「次まで後幾つ」の「後」に文字を充てたもののようだ。語源がこういったものなので当然日本人以外のプレイヤーには通じない。英語では「3000 NTL(Next to Level)」等と表現する。

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