日々つれづれ
025 ハートブレイカー

チョップ:「飛空艇はいいねぇ、、、、、どこまでだって飛べるんだろうなぁ、、、、、俺ももうどこか遠くに飛んでいってしまいたいなぁ、、、、、、、はぁ。」
傷心中のチョップくんはバストゥーク港にて飛空艇の入港をぼんやり眺めていた。ミキの部屋から追い出された事は予想以上にチョップくんの心に大きな傷を作ってしまったようだ。
チョップ:「いつか俺のことも乗せておくれ〜〜、さよなら〜〜〜、、、、、、、、、、。はぁ、帰るか、、、、。」

足取りも重く居住区に足を向ける。まったく覇気は感じれれない。

チョップ:「はぁ、、、、ミキと一緒に海を眺めたかったなぁ、、、、でももう今となってはあとの祭りってやつか、、、、はぁ、それに比べてあそこにいつもいる老夫婦ときたら。いつも仲良さそうで、、、、、。」
チョップ:「、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、。」

じいさん:「いいじゃろ、なあババア。今度いっかいだけでいいからシド工房長みたいに裸エプロンになってワシに料理を作ってくれんか?いいじゃろ?」
ばあさん:「もう、ジジイったらぁ、この年で裸エプロンなんてハズカシイですよ。でもジジイがどうしてもって言うんなら、、、、、もう、最後まで言わせないでくださいな。」
じいさん:「ふふふ、ババアはいつまでたってもめんこいのう。」

チョップ:「、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、はぁ。」

じいさん:「、、、、、、これ、後ろのガルカや。止まりなさい。」
チョップ:「ん?なんですか?何か俺に頼み事っすか?悪いけど今はクエとかする気分じゃないんすよね。」
じいさん:「おぬし、彼女にフラれたんじゃろ?」
チョップ:「ど、どうしてそれを?」
じいさん:「なぁに、おまえさんの顔を見とりゃそんな事は一目瞭然じゃて。」
チョップ:「むぐ、、、、、、。」
じいさん:「おまえさんの沈んだ顔をみてたらちょっとお節介してやりたくなってな。」チョップ:「、、、、、、、、、、、、、、。」
じいさん:「ちょっと聞くがの、ワシら夫婦が何十年もこうしてうまく関係を続けていける理由を知っているかのぅ?」
チョップ:「う〜ん、やっぱり長い間に築き上げた信頼関係とかですか?」
じいさん:「まったく見当ハズレじゃな。理由はの、媚薬じゃよ。」
チョップ:「えっ!? び、媚薬、、、、?」
じいさん:「そう、ホレ薬じゃよ。ふふふふ。ワシが若い頃のう、こいつに媚薬を飲ませたんじゃ。それからというものババアはワシにメロメロじゃて。」
チョップ:「お、お、お、、、、、、、、おじい様!」
じいさん:「ふふふ、あせるでないて。あまり大声では言えんからの。耳を貸せ。」
チョップ:「はい、おじい様!」
ボソリ
じいさん:「おまえさん錬金合成は知っとるじゃろ?ポーションだのやまびこ薬だの聖水だのを作るあの合成じゃ。実はの、あの錬金術で媚薬が作れるんじゃ。もちろん一般には知られていない極秘のレシピじゃがな。」
チョップ:「ふむふむ。」
じいさん:「まあワシが若いころの話じゃから今でもその技術を持った奴がおるかどうかは分からんがの。もしそれを意中の相手に飲ませられれば、、、、、、、、、あとはもう言わなくてもわかるな?ん?(/grin)」
チョップ:「うおおおお!サンキューおじい様!この御恩は忘れませんよ!」
じいさん:「気にするな。判ったら行ってこい。」
チョップ:「はい!ありがとうございました〜。」
どす どす どす どす。

チョップ:「うおおおお!すげえ事聞いちまったぞ、世の中変わっちまうぜ〜。」

すっかり意気消沈していたハートブレイクガルカは、バストゥーク港にいた老人からの衝撃の告白にすっかりうかれガルカへと変貌していた。賢明な方ならばチョップくんがどこへ向かおうとしているのかもうお分かりだろう。そう、チョップくんが向かったのは、、、、、。

チョップ:「はあっはあっはあっはあっ、、、、、」

どす どす どす どす どす どす どす

バストゥーク鉱山区、錬金術ギルドである。

チョップくんは普段全く錬金合成をしていないので、このギルドはなじみが薄い。
鉱山区の最奥にあるその建物の中にうかれガルカは足を踏み入れた。

チョップ:「おお!これってもしかして媚薬のレシピっすか?」
錬金姉さん:「、、、ええと、この成分と火のクリスタルが混合することによって生成される物質Bの影響があるから、、、、、、モルボルのつるじゃ駄目なのね、、、、ふむ。」
チョップ:「ねえねえ、これって媚薬の」
錬金姉さん:「うるさいよ!そんなの私は知らないから。他あたって。」
チョップ:「あうううう、、、、、、、、。」

あっさり邪魔者扱いされてしまったチョップくんは辺りをぐるりと見渡した。

チョップ:「お!?これか?おおお?」
錬金兄さん「う〜む、、、、、、、、、。」
錬金兄さん:「ふむ、、、、、、、、うん。」
チョップ:「ふむふむ。、、、、、、うん。」
ぼふんっ

錬金兄さん:「うむ。できた!」
チョップ:「うおっ!?ゴホッゴホッ、、、で、で、できたの!?」

錬金兄さん:「うむ!すばらしい色、つや、、、そして香り、、、これは良いソイソースができたぞ。」
チョップ:「え!?醤油?、、、ってちょっとぉ、そんなの作ってないで媚薬をつく」
錬金兄さん:「バカヤロウ!今欧米じゃちょっとしたジャパニーズフードブームで醤油は人気の調味料なんだぜ!これが大量生産できるようになりゃ俺は大金持ちよ。」
チョップ:「いや、、、あの、、、、欧米って、、、」
錬金兄さん:「うひょ〜っ、どうよこの香り。芳純だねぇ、絶妙だねぇ、、、うふふ。」
チョップ:「う〜ん、錬金ギルドに媚薬を作れる奴はいないのか、、、、、。くそう。」
チョップくんは落胆したまま錬金ギルドを後にした。
チョップ:「せっかくいい話を聞けたと思ったのに、、、、作れる奴がいないんじゃ意味がねえよな、、、、はぁ、、、、、あきらめるか、、、、、はぁ」

結局チョップくんは媚薬を入手できないまま重い足取りで商業区に向かって歩き出した。

頭のなかではミキとの楽しかった日々の思い出がぐるぐる回っていた。
初めて出会ったクラウツ橋、蒸気の羊亭での初デート、ミキ特製カレーパーティーを開いたクリスマス、コンシュタット高地へのピクニック、グスゲン鉱山でのきもだめし、、、、、。
楽しい思いでばかりが頭を支配する。

いっそう足取りは重くなる。

チョップ:「、、、、、、、はぁ。」

謎ガルカ:「オイ、そこの!」

チョップ:「は、はい?なんですか?」
謎ガルカ:「媚薬、、、、、いるかい?」
チョップ:「ええっ!?持ってるんですか!?ほほほほ欲しいっす!
謎ガルカ:「チッ!声がでけえよ。あまりおおっぴらにはしたくねえんだ。」
チョップ:「すんません、あの、ホントに持ってらっしゃるんですか?」
謎ガルカ:「ああ、持ってるよ。ただなぁ、最近めっきり入荷が減ってな。今は1つしか持ってないけどな。」
チョップ:「お願いします!俺に売って下さい!」
謎カルカ:「ああ、もちろん売ってやってもいいさ。必要としてる奴に望む品を提供するのが俺の仕事さ。ただなぁ、、、、、、ちょっと高いぜ。」
チョップ:「かまわないっす、売って下さい!」
謎ガルカ:「よし、いいだろう、、、、、、、じゃあ2万ギルだ。」
チョップ:「に、2万ギル?そりゃ高いって!チェーンメイルだってブレストプレートだってもっと安いっすよ!?」
謎ガルカ:「そうだな、お前の言う通りさ。嫌なら買わなくてもいいさ。俺は全然困らないからな。買うも買わないもお前の自由さ。」
チョップ:「くっそ〜、足元みやがってぇ〜、、、、う〜ん。」
謎ガルカ:「どうすんだ?買うのか?ん?」
チョップ:「う〜ん、分かった!買う。買うよ!」
チョップ:「ホラ、お金!」
謎ガルカ:「まいどあり。(/grin)ほらよ、これが媚薬だ。」
チョップ:「よっしゃあ、これで、、、これでミキと俺の仲は、、、サンキュー」
謎ガルカ:「ふふ、欲しいものがあったらまた来いよな。ごひいきに。」
チョップ:「ありがと〜、また来るよ!じゃあね〜。」
謎ガルカ:「ふふふふ。」
チョップ:「やったぜ、媚薬ゲットしちゃったよ。あ、気がついたらもうこんな夜中かぁ。今からミキんとこ行ってもあいつ寝ちゃってるよなぁ、、、、、、よし。」

夜中にミキを訪ね、また機嫌を損ねるわけにはいかない。チョップは宿屋でひと晩明かし、明日の朝ミキの家を訪ねることにした。

チョップ:「おばちゃん、飛び込みでわるいんだけど今夜一泊させてくんないかな?」
フロント:「今からですか?う〜ん、相部屋でもよろしければベッドは御用意できますが?」
チョップ:「うん、かまわないよ。寝るだけだから。」
フロント:「わかりました。ではお部屋のほうにどうぞ。」
チョップ:「ありがとう。」
チョップ:「よし、媚薬はここに置いて、っと。」
チョップ:「いよっしゃあ!オヤスミナサイ!」

こうしてチョップくんは眠りについた。明日の朝になればいよいよまたミキに会える。
その日チョップくんは何日かぶりで深い眠りにつくことができたという。

ちゅんちゅんちゅんっ。(小鳥のさえずり)

チョップ:「ふわああ、、、うん、、、、、おお、もう朝かぁ、、、さてと、、、ん?」

チョップ:「うおおお!び、媚薬が!、、媚薬が無い!?

昨晩置いておいたはずの媚薬のビンが無くなってしまっているようだ。

チョップ:「ちょっと!なんでだよ!?俺ちゃんとここに置いて、、、、ええっ!?」
????:「どうかなさいましたか?」
チョップ:「ん?」

修道僧:「何かお困りのようですね?」
チョップ:「あ、ああ、、、、ちょっとね、、、昨日ここに置いといたハズの俺の大事なものが無くなってるんですよ。」
修道僧:「おお、それは大変だ。良ければ私も一緒にお探ししますよ。」
チョップ:「ありがとうございます。どうしても必要な高価なものなんですよ。あれがないと俺、、、、俺、、、、、、。」
修道僧:「心配しなくても大丈夫。2人で探せばきっとみつかりますから。ところで、」
チョップ:「はい?」
修道僧:「以前誘われた時にはそっけない態度を取ってしまって申し訳ありませんでした。」
チョップ:「、、、、、、?」
修道僧:「あの頃は、、、、まだあなたの、、、、あなたの魅力に気がついていなくって、、、、、」
NO、003「たんけんぼくのまち(後編)」参照)
チョップ:「は?」
修道僧:「私、、、私は、、、、あなたの事が、、、、」
チョップ:「!」
チョップ:「うおっ!おまえ、、、、飲みやがったな!?」
修道僧:「好きです、、、、ガルカさん!」
チョップ:「
こんの、、、、クソバカヤロウッ!うわああっ!
チョップ:ガルカン  パァ〜ンチ!

どがぁーん

修道僧:「ぼぐふぉっ!」

チョップ:「うああああん、バカヤローッ!俺の媚薬を、、、俺の2万ギルを、、、返せ〜っ、うあああああん!

ようやく手に入れた残りひとつの媚薬を修道僧に飲まれてしまったチョップくん。そのショックは相当なものだろう。しかし、そんなものに頼ろうとしたチョップくんもよくなかったのかもしれない。ほら、ドラ○もんとかそうじゃないですか?便利な道具に頼ってチョーシに乗るとあとで痛いしっぺ返しをくらっちゃうっていう、、、あの構図ですよ。

結局のところ、ミキとの関係は一歩も前進していないチョップくん、今後2人の先に道はあるのか?それともフェードアウトしていってしまうのか?更には修道僧との間にあらたに生まれてしまった関係はどう消化されていくのか?「うわ、やっかいな設定つくっちゃったなぁ」という作者の気持ちはひとまずおいておこう。
未来のことは誰にもわからない、、、、、、、、。ということにしておいて。(笑)

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