日々つれづれ
015 ガル田一少年の事件簿

みゆき:「もう、チョップちゃんったらウソばっかり!」
チョプ:「いやマジだって、ホントに!」
チョプ:「こんくらいのドブネズミ?40センチはあったって。マジで。これはヤバイ、事件だ、って思ったもん。」
みゆき:「あはは、ホントに〜?ふふふ。あ、そうだ事件って言えばチョップちゃん、ヒナリーさんの話知ってる?」
チョプ:「ヒナリーさんの話?なにそれ?」
みゆき:「南サンドリアの一番奥のお屋敷で一人暮らししてるヒナリーさんは知ってるでしょ?あのヒナリーさんの家で起こった事件なの。」
チョプ:「ふむふむ。」
みゆき:「1週間位前なんだけどヒナリーさん、どうしても眠れなくて散歩でもしようかと夜中に外に出たんですって。玄関を出てふと庭に目をやるとそこに死体があったんですって。」
チョプ:「え?死体が?殺人事件か?」
禿ガル:「その話なら俺も聞いたぜ、、、。」
禿ガル:「でも不可解なのはそのあとなんだよ。なんでもヒナリーさん、そのまま気絶しちゃったらしいんだけど、朝方になって気がついたらもう死体はそこに無かったんだって。な、変だろ?」
チョプ:「おっちゃんその話本当かい?」
禿ガル:「ああ、なんでも王国警備隊もどういう事なのかつかめなくて困ってるらしいぜ。」
チョプ:「よし、その謎、IQ180のこの俺が解いてみせる!」
みゆき:「チョップちゃん。」
チョプ:「じっちゃんの名にかけて!」

みゆき:「チョップちゃん、、、、、、あなた、おじいちゃんなんていたっ」
チョプ:
「じっちゃんの名にかけて!」

みゆきからの質問には無視を決め込むようである。というかみゆきって誰だよ。

読者の皆さんはご存知だろうか?南サンドリアの奥まった場所、モグハウスとは逆の端にある屋敷を。そこに住むヒナリーという老婆は夫に先立たれ、その屋敷で一人暮らしをしている。夜はもちろんだが昼間でもそこを訪れる冒険者の姿はほとんどない。年老いた彼女はほとんど家から外出もしない。亡き夫の事を考え日々を過ごしているようだ。

そんなヒナリーさんの家で殺人事件が?にわかには信じがたい話ではあるがチョップくんは老婆を訪ねてみることにした。

チョプ:「こんなお屋敷で一人暮らしじゃさぞさびしいだろうになぁ。ま、とにかくヒナリーさんに話を聞いてみるか、、、、。」
チョプ:「こんにちは、チョップと申します。先日ヒナリーさんが見たという死体の事を伺いたいんですが、、、、」
ヒナリー:「、、、、あまり思い出したくないんですけど、、、、いいですよ。」
チョプ:「辛い思いをさせて申し訳ありません。死体を見つけた時はどんな状況で?」
ヒナリー:「その日ワタシどうしても眠れなくて、、、おじいさんの事考えてたら余計眠れなくなってしまって、気を紛らわそうと散歩をすることに決めたんですの。この部屋から1階に降りて玄関の扉をあけたら5メートルくらい先に、、、、、ワタシはそれを見て気絶してしまったんですね。朝になって気がつくともうそこには何もありませんでした。」
チョプ:「なるほど。犯人はヒナリーさんのお宅の前で殺人を犯した、、、、、逃げ去ろうとしていた時に玄関から物音が聞こえたので物陰にでも身を隠す、、、、、、そしてヒナリーさんが気絶したのを見て死体をどこかに持ち去った、、、といった所かな?」
ヒナリー:「ええ、そう思いますわ。ワタシ、殺人犯がこの辺りをうろついていると考えるともう恐くて、、、、こんな時おじいさんが生きていてくれたら、、、、、」
チョプ:「大丈夫ですよヒナリーさん、安心して。この俺が犯人を見つけてみせます。」
チョプ:「じっちゃんの名にかけてね。」
ヒナリー:「よろしくお願いします、チョップさん、、、、、」
チョプ:「むうう、許せんぞ犯人め!なんの罪もない老人に恐怖の日々を与えやがって。絶対謎を解いてやる。よ〜し、まずは捜査の基本、聞き込みからだ!」
こうして聞き込みは始まった。チョップくんはサンドリア中を走り回った。
チョプ:「ヒナリーさんのお宅の事件で何か知ってる事ありませんか?」
「う〜ん、あいにくだけどその日俺は旅に出てサンドリアにはいなかったんだ。事件の事はあとからカミさんに聞いたけど詳しいことは知らないよ。」
「ああ、ヒナリーさんのことかい?ありゃあ災難だったねぇ。力になってあげたいけどババァは何も知らないよ。ただあの日このカマドで徹夜して煮込み料理を作ってたんだよ。だから夜中にへんな物音や叫び声が聞こえたら気付くはずなんだけどねぇ、、、、、。」
「、、、、、知らんな。商売の邪魔だ。帰ってくれ。」
「あ?そんなの知らねぇっつうの。だいたい知ってたとしても何でオマエに教えなきゃなんねーの?あ?早く消えろや、めざわり。コッチは魔法屋にチラシ配れとかって(※1)勝手に押し付けられてムカついてんだよ!」
「え?この包丁が凶器だって?アンタ頭おかしいんじゃないのかい?もしこれが怪しいってんなら剣だの斧だの持ってる冒険者はみんな容疑者だね。」
「残念だけれどキミ、見当違いもいいところだよ。僕はこの地下から出られない体なのさ。ヒナリーさんって人も知らないしましてや殺人なんて、、、、。」
「残念ですがお力にはなれないようですね。え?聖職者であるこの私を疑いますか?ああ、もしそうならばまだまだ私の修業が足りないと言う事ですね。悔い改めます。」
「ふむ。その件については我々神殿騎士団でも独自に調べている。お引き取り願おう。あ、言っておくが私の左目からツノが生えてるとか思ってるんだったら間違いだからな。髪の毛だぞ。髪の毛。」
「うえ〜ん、おとうさ〜ん、どこ〜!?」
チョプ:「あああ、もう!ぜんっぜんわかんねーよ。チョーシこいて『じっちゃんの』とか言うんじゃなかったよな〜。あ〜でもこのままバックレんのも気が引けるしな〜マズイな〜」
チョプ:「ああ〜、なんとか決めゼリフ使ってごまかせねえかな〜?う〜んと、ヒナリーさんは気絶しててぇ、、、、、、、、死体は、、、、、、、うん、、、、、ここから無くなってるっつう状況が、、、、、うん、、、、よし、これだ!まずヒナリーさんとこ飛び込んだら開口一番例のセリフからスタートだな。うん、イキオイで押し切ればいけるって。ヨシ!」
ぎいいぃ バタン。
チョプ:「な、謎はすべて解けたぁ〜!」
ヒナリー:「え、あ、はい?」
チョプ:「えっと、分かったんですよ、事件の真相が!」
ヒナリー:「ほ、本当ですか!?」
チョプ:「その日ヒナリーさんは庭先で死体をみつけましたね。そして意識を失っている間に死体が消えた、、、、」
ヒナリー:「ええ、、、、、、」
チョプ:「もし本当にそこで殺人が行われていたのならば何かしら犯人と被害者の争った形跡が残っているはずです。」
ヒナリー:「、、、、、なるほど、、、、」
チョプ:「しかしそんな形跡は一切無い。という事は死体は自らいなくなったんですよ!」
ヒナリー:「は、、、、、、、、、、、、?」
チョプ:「いいですか?死体は生きていた、いやもともと死んでいなかったんです。しかしヒナリーさんは一目見てそれを死体と認識してしまった、、、、、。そうくればおのずと事件のカラクリは見えてきます。」
ヒナリー:「、、、、、、、、、、、、、、」
チョプ:「結論を言いましょう、、、、、、」
チョプ:「犯人は、、、、、、アイツです!」
骨:「げ〜、オレが犯人かよ!?」
ヒナリー:「かっ、帰れ!二度とくるなっ!」
チョプ:「も、申し訳、、、ありませんでした、、、」
後日、神殿騎士団の手によって真犯人は捕まった。この犯人はヒナリーさんに自分の犯行現場を見られたと思い、ヒナリーさんをも殺そうと再び屋敷に忍び込もうとしたのだが、その現場を張り込んでいた僧兵に見つかり御用となった。
これ以来みゆきちゃんはウソツキのレッテルを貼られたチョップくんと距離を置くようになったという。
自業自得だぞ、チョップ!興味本位で余計な事に首をつっこむのはやめておけ。
※1 魔法屋のチラシ配り
サンドリア港で受けられるクエストのひとつ。手間がかかって本当にムカツク。

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