日々つれづれ
013 夢のグレートアクス(1)

親切なタルタルに導かれ、サンドリア王国に着いたチョップくん。街の中をぐるりと見渡してしばらくの間余韻にひたる。
何といえばいいのだろうか?街の持つ「匂い」のようなものがホームタウンのバストゥークとは全く違うのだ。

堅固な城壁で守られた街は、王国というだけありを中心とした造りになっている。その城は「ドラギーユ城」といい、トリオンとピエージェという2人の王子がいるのだという。王子というからには他に国王がいるのであろうが異国からの一介の新米冒険者たるチョップくんなど当然会えるはずもなかった。

また街にはエルヴァーンという長身の種族(と言ってもチョップくんのほうがデカイのだが)があふれていた。バストゥークではあまり目にすることのなかった種族である。
王国にはそのエルヴァーンたちで構成された騎士団という部隊があった。剣を生業としている輩がつどっているわけだ。なるほど、前衛用の武器ならバストゥークよりサンドリアの競売のほうが安い事が多いというのもうなずける。
チョップくんは目的の「グレートアクス」の売値をチェックするため競売所に走った。

チョ:「ここがサンドリアの競売所かっ!」
早速競売所のカウンターに話しかける。バストゥーク競売所ではだいたい6000ギルで売られていた両手斧、グレートアクス。ここサンドリアではいったいいくらで取引きされているのだろうか?緊張しつつ値段を確認する。
やった!5000ギルくらいで(※1)取引きされているではないか!はるばる砂漠を越えてやってきたかいがあった。改めてサンクスタルタル氏よ!
チョップくんの現在の持ち金6024ギル。喜び勇んで購入しようとした瞬間、ある考えが頭にうかんだ。

先程、街なかをウロついた際に「革工ギルド(※2)」なるものを目にしていたのだ。もし合成で何か作って売る事ができればもっと持ち金を増やせるのではないだろうか?ふむ。
そうだ、北グスタベルグやコンシュタット高地で入手した「大羊の毛皮」というアイテムをたくさん持っている。これをうまく利用できないだろうか?チョップくんは合成のためのレシピを確認してみる。するとどうだろう。おあつらえ向きに革工合成のいちばん初歩のレシピに
大羊のなめし皮なる合成がある。持っている大羊の毛皮をなめし皮に加工できれば1枚600ギル程で、ダースならばなんと7500ギル程で売れるようだ。
まてまてあせるな」と自分に言い聞かせ合成に必要な他のアイテムの値段もチェックしてみる。

大羊の毛皮ウィンダス茶葉蒸留水という3つのアイテムを闇のクリスタルを使って合成すると大羊のなめし皮ができる。ふむふむ。チョップくんはメモを用意して再び競売所に声をかける。ウィンダス茶葉1ダース500ギル。闇のクリスタル1ダース2300ギル。そして蒸留水はさっき酒場で1つ12ギルで売っていた。ふむ。チョップくんが所有している大羊の毛皮は22枚。それぞれのアイテムが2ダースずつあれば22枚分の加工に足りる事になる。ってことは、、、、、茶葉2ダース1000ギル。クリスタル2ダース4600ギル。蒸留水2ダース240ギル。合計5840ギル。もし22枚の大羊のなめし皮が売れたとすると13500ギル。13500!?スゴイではないか!手持ちの6024ギルをすぐに使わずに巧く転がせば13500ギルに化けるのだ!これだ、決定だ!チョップくんは合成に初挑戦してみることにした。

チョ:「う〜し、いっちょやってみますか」
ナイスアイデアだぜチョップ、もしかして商才あるんじゃねぇの?」
早速必要なアイテムを購入する。残金は200ギルを切ってしまったがこれは先行投資。後で倍以上になって戻ってくるのだ。うはははは。うかれガルカは合成用のアイテムを抱えて革工ギルドへと足を向けた。
うかれガルカ革工ギルドへ走るの図
マップをチェックしながら革工ギルドを目指す。バストゥークもそうだったがやはりサンドリアも広い。ギルドまでの移動がもどかしい。
ここだ!頭上には革工ギルドを示す看板が掲げられている。チョップくんは一度足を止め、深呼吸をするといきおいよくギルドの扉を開けた。

ギルド内には4人の職人がいた。各々が自分の仕事をしている。チョップくんの訪問などまるで意に介していないようだ。
真剣な表情で革をなめすミスラ。匠の技だ。
チョプ:「あの〜、俺も革なめしたいんすけど、、、、」
ミスラ:「あぁ?作業の邪魔だよ。むこうに行ってくんないかな?」
チョプ:「あ、でも俺も革なめしたいん」
ミスラ:「うるせぇって!あんまりしつこいとガルカのなめし革作っちゃうよ!」

他の人にあたるとしよう。チョップはかなり涙目でミスラからはなれた。

俺もこんなの作りたいんだよなぁと暗に訴える涙目ガルカの図
チョップくんはエルヴァーンの職人に話を聞くことにした。この職人も自分の作業で忙しい様子だったがあまりに情けないガルカに同情してか、革工の様々なレシピを教えてくれた。そして最後に合成のサポートをしてやってもいいと切り出した。
チョ:「サポートおねがいします!」
サポートを受けいよいよ初めての合成のスタートである。ウィンドウを開く。闇のクリスタル、大羊の毛皮、ウィンダス茶葉、蒸留水を取り出す。スタンバイはオッケーだ。
チョップくんはなめし革の完成形を強く頭に思い描き合成を始めた。
シュゴー、という音と共に輝きを増していくクリスタル、、、、、。おお、これが合成か。3つの素材がクリスタルの力によって分解されていく。より激しく輝くクリスタル、、、、。おおおお、、、、、、。輝きは臨界点に達した。
「バリーン!」小気味よい音をたてクリスタルは砕け散った。あれ?どういうこと?一瞬わけがわからずログウィンドウを確認する。

チョップくんはクリスタルを失った。
チョップくんは大羊の毛皮を失った。
チョップくんはウィンダス茶葉を失った。

大失敗である。そうなのだ。合成というのは必ず成功するとは限らないのだ。使用者の合成スキルが低ければクリスタルは砕け、運が悪ければアイテムも失ってしまうのだ。
ドンマイ、最初からそううまくはいかないさ。なにせスキルはまだゼロなのだから。チョップくんは気を取り直してもう一度頭に強くなめし革を思い描いた。

シュゴー。輝きだすクリスタル。

「バリーン!」
砕け散るクリスタル。おやおや、また失敗しちゃったね。ドンマイ!もう一回チャレンジだ。
「シュゴー」
「バリーン!」
チョ:「む、むずかしいなぁ。」
職人:「、、、、、、、、、、、、」
「シュゴー」
「バリーン!」
チョ:「、、、、、、、、、」
職人:「、、、、、ププッ」
チョ:「ちょっと!オマエ今笑っただろ!オイ!」
職人:「いえ、笑ってなんかいませんよ。合成って難しいですからね。さあ落ちついて。」

明らかに見下されている。カンバレチョップ!なめられたままでいいのか?見返してやれ!

「シュゴー」

「バリーン!」

チョ:「、、、、、、、、、」

「シュゴー」

「バリーン!」

「シュゴー」

「バリーン!」
「バリーン!」
チョ:「うううう、うう、うっぐふ〜、うっうっうっ」
職人:「、、、プッ」

泣くなチョップよ!お前は悪くないさ。合成ってそんなものなのさ。でも毛皮とか茶葉とかかなり失って大誤算だぞ。計算外だぞ。こっちが泣きたいぞ。頼むから成功してくれ。

チョ:「す、すみません、、、、ひっく、、もういっかい、、サポート、お願いします」
職人:「ん?オッケー、何度でも」

こうしてチョップくんの格闘は続いた。

結局22枚の大羊の毛皮は13枚の大羊のなめし革に生まれ変わった。もういちど言う。大誤算である。こんなに失敗率が高いとは、、、、、。

チョップくんは1ダース分の大羊のなめし革を競売所に出品し、泣きながらサンドリアのレンタルモグハウス(※3)に戻った。涙に濡れたこのなめし革は売れるのだろうか?そしてグレートアクスは入手できるのだろうか?

とにかく一晩待ってみよう。先行き不安である。

※1 5000ギルくらい
これは2003年9月中旬の値段です。時期やサーバによって値段には差があります。

※2 革工ギルド
冒険者が合成を始める時にはまずそれぞれの合成ギルドへ行き加入しなければならない。
合成には木工、鍛冶、彫金、裁縫、革細工、骨細工、錬金術、調理の8種がありそれぞれ作り出せるものは異なっている。またギルドでは一定時間合成スキルをあげてもらえる(サポートという)。自分の持っているスキルよりも上のスキルの合成品を作ろうとする場合にはサポートは必須である。

※3 レンタルモグハウス
冒険者の家であるところのモグハウスは自分の出身国にひとつしか存在しない。他国に行ってモグハウスを利用したい場合、その国にある部屋をレンタル(と言っても無料なのだが)しなければならない。レンタルした部屋には自国のモーグリが荷物を持って移動してきてくれるという設定になっている。

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