日々つれづれ
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012 、、サンドリアへ |
足を踏み入れるとそこは真っ白な世界だった。コンシュタット高地の緑の大地から一転して、砂が一面に広がるバルクルム砂丘に飛び込んだチョップくんはそのまぶしさに目を細めた。
チョコチョコと跳ねるように走るタルタル氏の後ろをドスドスとガルカが続く。 砂丘には小さな足跡と大きな足跡が刻まれていく(※1)。辺りにいる敵を調べると皆「とてもとても強そう」と表示される。戦おうなどという気はハナからない。いかに見つからずにこの砂丘を越えられるかという事しか考えていない。いつ襲われるか分からないという恐怖は確かにあるのだが一緒にいる心強い小さな先導者がその感覚を麻痺させる。チョップくんは初めて見る砂丘の風景にわくわくしながら先へ進む。目指すはサンドリア王国! |
チョ:「これからサンドリア行ってくるっす!」
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不意にタルタル氏が足を止める。 「この先のトンネルにコウモリがいるんですけどレベルが低い人にはからんでくるんで、もしからまれたら逃げて下さいね。僕がたおします。」 そうか、広い場所ならば迂回できるので問題ないがトンネルという限られた空間ではどうしても敵との接近を余儀なくされるわけだ。旅慣れた冒険者の言葉を受け止め歩みを進める。眼前にトンネルが見えてきた。 |
気のせいか邪悪な空気がトンネルからあふれてくるように感じる。このトンネルに巣くうコウモリは今までにいったい何人の冒険者の命を奪ってきたのだろうか?しかしビビっていても始まらない。意を決してトンネル内に踏み込んだ。 |
ってあれれ?何もいないっすよ。 おそらく少し前に通過した冒険者が敵を倒していったのだろう。構えていただけに少々拍子抜けである。 労せずあっさりと薄暗いトンネルを抜ける。再び視界は開け真っ白な大地が広がる。砂丘を吹き抜ける風の音とふたりの足音だけが聞こえる。 サク、サク、サク、サク、サク、ドシュ、サク、サク、サク、、、、、 ドシュ? 何事かとカメラアングルを変えてみると、、、、、うお!お怒りになったゴブリンさんが脆弱なガルカに向かって剣を振り降ろしているではないですか!!!やばいやばい!からまれてしまった!体力がぐんぐん減っていく。まず〜い! 「てやっ!」 かわいい掛け声と共にタルタル氏がゴブリンに斬り掛かった。ゴブリンはターゲットを変えタルタル氏に刃をむける。 |
呆然と立ち尽くす貧弱ガルカ&勇ましくゴブリンに斬り掛かる堅強タルタルの図
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ゴブリンを倒すのには何回かの攻撃を必要としたが戦いは全く危なげの無いものだった。先程よりもタルタル氏の背中が大きく見えるのは気のせいだろうか? 「気をつけてね^^」と言葉をもらい、再びサンドリアを目指して歩みを進める。 |
必死でタルタルを追いかけるガルカの図
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気がつけばだいぶ陽が傾いている。またサクサクというふたりの足音が響く。 「もうすぐ砂丘をぬけますよ」とタルタル氏が声をかけてくれる。程なく画面が暗転する。 やった!砂丘をぬけた! チョップくんの視界に緑が飛び込んできた。ラテーヌ高原に入ったのだ。 |
ラテーヌ高原に入るとすっかり陽は沈んでいた。コンシュタットとはまた違った緑がそこにはあった。月明かりの元二つの影はサンドリア王国へと一歩一歩近づいていく。タルタル氏の話によればバルクルム砂丘の敵の強さがこの道中のピークであり、あとはサンドリアに近づくほど敵が弱くなっていくのだという。なるほど。街とモンスターの強さとの関係でいえばバストゥークにおけるコンシュタット高地にあたるのがサンンドリアにおけるラテーヌ高原という構図になるのだろう。うむ。勉強になる。 |
初めて見る敵「オーク」の横をすりぬけ更にラテーヌを進む。オークの姿がアップで収められていないのは近づきすぎるとチョップくんが襲われてしまうからである。 足早にラテーヌ高原を抜け、今回の最終マップとなる「西ロンフォール」へと到達する。サンドリア王国のお膝元である。 |
そこはまさに森だった。サンドリア出身の冒険者たちはまずこの森で腕を磨くのだろう。バストゥーク出身の自分とサンドリア出身の冒険者ではFF11の序盤で受ける印象がだいぶ違うんだろうなと想像する。まだ見た事はないがたぶんそれはウィンダス連邦でも同じなのだと思う。なんて事を考えながら進んでいるとタルタル氏を見失いそうになってしまった。木々が邪魔をして視界がきかないのだ。荒野で戦っていた時には考えもしなかった事だ。
「もうすぐつきますよ」というタルタル氏の言葉で少し先に視線を移す。 |
たいまつの明かりが見えてきた。おお!まるでチョップくんを出迎えてくれているようだ。 |
やった!とうとう着いた!グルリと街を覆う城壁と真っ赤な国旗がサンドリアという国家を象徴しているように思えた。チョップくんにとっては異国である。 タルタル氏のおかげで死ぬこともなく無事サンドリア王国に到着した。深い感謝の意をタルタル氏に告げる。チョップくんは嬉しくてしかたがないようだ。 いよいよ、という感じで街の中に入ろうとした時である。タルタル氏から信じられない言葉が発せられた。 「では僕はここで。」 え?どういう事だ? 「僕は普段ジュノという街を拠点にしているんです。ジュノでログアウトしたいのでこれからジュノに向かいます。」 何という事だ。タルタル氏の目的地はサンドリアではなかったのだ。わざわざこの弱いガルカを送り届けるためだけに、何の見返りもないのに、時間をかけて、徒歩で、ここまで案内してくれたのだ。たまたまコンシュタット高地で声をかけてきただけの見ず知らずの奴にここまでしてくれたというのか。 サンドリアに着いたことももちろん嬉しかったが、そのタルタル氏に出会えた事の方が嬉しかった。微笑を浮かべてサンドリアの門をくぐった。 |
※1 足跡が刻まれる 砂丘をあるくと実際に砂の上に足跡が残るのである。びっくり。 |
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